スズメの餌付けで、やってはいけないこと

スズメの餌付けで、やってはいけないこと

小さくて可愛らしい姿で、私たちの身近に暮らしているスズメ。つい仲良くなりたくて餌をあげたくなりますが、そのやり方を間違えると、スズメの健康を損なったり、人間との間にトラブルを引き起こすことがあります。

実は、善意でやっているつもりの行動が、スズメにとって危険になることもあるんです。今回は“スズメの餌付けでやってはいけないこと”を5つのポイントに分けてご紹介します。スズメと私たちが安全に共存するために、ぜひ最後までご覧ください。


1・ 塩分のある食べ物を与える

スズメにパンやスナック菓子など、塩分を含む人間用の食べ物を与えるのは非常に危険です。スズメは体が小さいため、ほんのわずかな塩分でも腎臓や肝臓に負担をかけ、最悪の場合は命に関わることもあります。さらに、加工食品には油や添加物が含まれていることが多く、これらもスズメの消化器官に悪影響を及ぼします。

もし餌を与えるのであれば、無塩の小麦や米、ヒエやアワなどの穀物、ひまわりの種など、野鳥用に販売されている安全な餌を選びましょう。スズメの健康を第一に考え、人間の食べ物は絶対に避けることが大切です。


2・大量に与える

餌をたくさん与えればスズメが喜ぶ、と思いがちですが、これは逆効果です。大量の餌は食べ残しを生み、それが腐敗すると雑菌やカビの温床になります。さらに、餌の匂いに引き寄せられてカラスやハトなど大型の鳥が集まり、スズメが追い払われてしまうこともあります。

特にカラスはスズメの雛や卵を襲うことがあり、結果的にスズメの命を危険にさらすことになります。餌付けは、スズメがその場で食べきれる量を少しずつ与えるのが基本。野生の採餌行動を妨げず、自然の中で生きる力を維持できるように、量をしっかりコントロールしましょう。


3・手で直接与える

可愛いスズメに手から直接餌を食べてもらう…確かに憧れる光景ですが、これは大きなリスクがあります。手渡しに慣れたスズメは人間への警戒心を失い、他の人や天敵にも近づきやすくなります。その結果、猫やカラスなどに襲われる危険性が高まります。

また、人間の手には見えないバクテリアやウイルスが付着しており、それがスズメに感染症をもたらす可能性もあります。スズメは野生動物であり、本来は人との距離を保ちながら生活するのが自然です。餌を与えるときは、必ず少し離れた場所に置き、スズメの安全な距離感を守りましょう。


4・ 同じ場所で毎日与える

毎日同じ場所で餌を与えると、スズメがその場所に依存してしまう危険があります。本来スズメは季節や天候、食べ物の状況に応じて行動範囲を変える柔軟な生き物ですが、特定の場所に餌が常にあると、自ら餌を探す習慣が弱まってしまいます。さらに、その場所にフンが蓄積し、不衛生になったり病気が広がる恐れもあります。

また、近隣住民からの苦情や、人とスズメの間のトラブルにも発展しかねません。餌付けする場合は、日を空けたり、場所を変えたりして、スズメが自然の中で生きる力を保つよう心がけましょう。


5・農作物の近くで餌付けする

畑や田んぼの近くでスズメに餌を与えるのは避けましょう。スズメは学習能力が高く、『ここに食べ物がある』と覚えると、餌付け場所だけでなく周囲の農作物にも足を運ぶようになります。その結果、稲穂や果実を食べてしまい、農家にとって深刻な被害となることがあります。

一度“農作物=餌”と覚えたスズメを遠ざけるのは難しく、人と鳥との関係が悪化してしまいます。餌付けは、農地や住宅から離れた安全な場所を選び、スズメにも人にも迷惑がかからないよう配慮することが大切です。


🎬 まとめ

スズメに餌をあげる行為は、私たちの善意から始まります。しかし、そのやり方を誤ると、スズメの健康や命を危険にさらし、人とのトラブルを招くことになります。大切なのは、自然の中で生きるスズメの力を奪わないこと。

塩分や加工食品を避け、量や頻度を控えめにし、安全な場所で行うことが基本です。正しい方法を守れば、スズメは健康で、美しい姿を長く見せてくれます。人とスズメが穏やかに共存できるよう、賢く餌付けしましょう。


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